『愛の不時着』の舞台を訪ねて|ブリエンツ湖からエメッテンの空へ
著者:マリナ ベチャート

スイスを旅するなら、どんな景色を見てみたいでしょうか。
雄大なアルプス、青く美しい湖、山あいの小さな町。
そして、ドラマや映画で見たことのある風景を、実際に自分の目で見てみるのも旅の楽しみのひとつです。
この夏日本から母がスイスに遊びに来ていたので、韓国ドラマ好きの彼女のために、韓国ドラマ『愛の不時着』のロケ地として知られるイゼルトヴァルトに足を延ばし、船に乗って湖の上から美しい景色を眺めたり、実際のロケ地で写真を撮ったりしました。
そして旅の最後に待っていたのが、今回一番楽しみにしていた体験。
エメッテンでのパラグライダーです。
スイスの美しい景色を最後は空から眺める。
様々な角度からスイスを楽しめる、そんな旅になりました。
まずはルツェルンへ
旅のスタートは、スイス中央部にあるルツェルン。
ルツェルン湖のほとりに広がる街で、歴史を感じる旧市街と美しい湖、そして周囲の山々が魅力です。
街のシンボルとして知られるカペル橋などを歩きながら、スイスらしい街の雰囲気を楽しみました。
ルツェルンは、チューリヒ空港からのアクセスも良く、街歩きだけでなく湖や周辺の山々へアクセスする拠点としても便利な場所です。

ルツェルンからブリエンツ湖へ向かう途中に見えるルンゲルン湖。
『愛の不時着』の舞台、ブリエンツ湖へ
ルツェルンを後にして向かったのは、ブリエンツ湖。今回の旅行で楽しみにしていた場所のひとつです。
韓国ドラマ『愛の不時着』を観たことがある方なら、主人公がピアノを弾くシーンが印象的に残っている方も多いのではないでしょうか。
ブリエンツ湖は、アルプスの山々に囲まれた美しい湖。湖の色もとても印象的で、山と湖が作り出す景色は、まさに「これぞスイス」という雰囲気です。
ブリエンツ湖は船から見るのがおすすめ

ブリエンツ湖では船に乗りました。こちらの船も実際にドラマで使われたシーンに出てくるもの。湖畔から景色を眺めるのももちろん素敵ですが、船に乗ると景色が少しずつ変わっていくので、また違った楽しみ方ができます。
スイス旅行というと、登山鉄道やロープウェイで山へ行くイメージが強いかもしれません。でも、湖の上でゆっくりと船に揺られながら眺める山と湖は、とても贅沢な時間でした。
イゼルトヴァルトで、ドラマの風景に出会う
そして訪れたのが、ブリエンツ湖畔にあるイゼルトヴァルト。小さな湖畔の村ですが、『愛の不時着』のロケ地として一躍有名になった場所です。
ドラマの中で印象的だったのが、湖に突き出した桟橋。実際にその場所へ行ってみると、青緑の湖、雲一つない青い空、緑生い茂る山…まるで一つの絵画のような景色が広がっていました。
写真で見ていた場所に自分が立っている。それだけでも、旅の思い出としては特別なものになります。しかしながらイゼルトヴァルトは、湖と山に囲まれた静かな村そのものがとても美しく、ドラマを知らない人でも訪れてみたくなる、そんな場所でした。
旅のハイライト、エメッテンでパラグライダー
今回の旅では、最後にもう一つ大きな目的が待っていました。それはパラグライダー。
場所は、ルツェルン湖周辺にあるエメッテン。エメッテンは山と湖に囲まれた自然豊かな場所で、近くのニーダーバウエンは標高1,575m。山の上からは、ルツェルン湖と中央スイスの山々を一望できます。そして、このニーダーバウエンはパラグライダーのフライトエリアとしても知られています。今回、私が挑戦したのはタンデムフライト。
経験豊富なパイロットと一緒に飛ぶタイプなので、初めてでも挑戦しやすいのが魅力です。とはいえ飛ぶ直前になると、やっぱり少し緊張します。

エメッテンを訪れるなら
エメッテンのニーダーバウエンは、パラグライダーだけでなく、山の景色を楽しむ場所としても魅力があります。
ロープウェイで山へ上がることができ、展望地からはルツェルン湖や中央スイスの山々を一望できます。パラグライダーに挑戦しなくても、山歩きや展望を楽しむことができます。
パラグライダーは天候や風の状況によって、フライトが変更・中止になることもあります。旅程には少し余裕を持たせておくと安心です。
湖、山、街、そして空
今回の旅では、さまざまな場所からスイスの景色を楽しむことができました。
ルツェルンでは街から。ブリエンツ湖では船の上から。イゼルトヴァルトでは桟橋から。そして最後のエメッテンでは空から。
『愛の不時着』のロケ地を訪れることをきっかけに始まった旅でしたが、実際に巡ってみると、ドラマの舞台だけではないスイスの魅力にもたくさん出会うことができました。
中でも忘れられないのが、山から飛び立ち、青い湖を眼下に眺めたエメッテンの景色です。
スイスを旅するなら、景色を「見る」だけでなく、その中に入ってみるのもひとつの楽しみ方。
湖を船から眺める。山へ登る。好きな作品の舞台を訪れる。
そして、もし少し勇気があるなら――スイスの空を飛んでみる。
私にとってエメッテンでのパラグライダーは、この旅を締めくくる忘れられない体験になりました。
著者について

マリナ ベチャート
神戸出身の二児の母。2014年よりスイス在住。美容、健康、料理、子育て、旅行、グルメ、言語、キャンプなど、興味のあることはさまざま。
人と話すことが好きな社交的な性格の一方で、読書をしたり、料理やドラマ鑑賞など一人の時間を過ごすことも大切にしています。
スイスでの暮らしを通して得た経験や、日々の生活で感じたことを交えながら、さまざまなテーマを丁寧に、わかりやすくお届けできればと思っています。




