top of page

なぜ世界の投資家はUAEを選ぶのか

10月30日
読了時間: 5分

更新日:2 日前

なぜ世界の投資家はUAEを選ぶのか

世界のラグジュアリーブランドが、UAE(アラブ首長国連邦)に新たな拠点を築いています。

その動きは、ドバイやアブダビだけにとどまりません。

いま注目したいのが、UAE北部のラス・アル・ハイマ(Ras Al Khaimah)です。

アラビア湾に面したアル・マルジャン島では、大型リゾートの開発が進み、世界的なホテルブランドの進出が相次いでいます。

2026年10月には、Aman Groupの姉妹ブランドJanu(ジャヌ)が、新たな高級レジデンスの詳細を発表しました。


なぜ、世界のラグジュアリーブランドはこの場所を選ぶのでしょうか。

その背景には、単なる不動産開発ではない、UAEの新しい観光戦略があります。



観光客350万人を目指す、ラス・アル・ハイマの成長戦略

UAEを代表する観光都市といえば、世界有数の高層ビルや高級ホテルが集まるドバイです。


しかし、ドバイ国際空港から車で約50分のラス・アル・ハイマでは、異なる魅力を持つ観光地づくりが進められています。

海岸線、砂漠、山岳地帯といった自然環境を生かしながら、国際的なホテルブランドやリゾート施設を誘致しています。


ラス・アル・ハイマ観光開発局によると、2025年の宿泊を伴う訪問者数は約135万人。前年比6%の増加となり、観光収入も12%伸びました。

さらに、2030年までに年間350万人を超える観光客を迎えることを目標としています。

観光需要の拡大に合わせ、ホテル、住宅、交通インフラへの投資が進められているのです。



57億ドル規模のWynnが示す、新しい可能性

ラス・アル・ハイマの成長を象徴するのが、アル・マルジャン島で開発が進む「Wynn Al Marjan Island」です。

2027年の開業を予定するこの大型リゾートは、総投資額約57億米ドルに上るプロジェクトです。

ホテルだけでなく、レストラン、エンターテインメント施設、ショッピングなどを組み合わせ、一つの滞在先で多様な体験ができる統合型リゾートとして計画されています。

この規模の投資は、ラス・アル・ハイマが今後の国際観光市場で重要な存在になると期待されていることを示しています。


そして、そのすぐ隣に進出するのが、Aman GroupのJanuです。



Aman Groupが選んだ、次のラグジュアリー拠点

なぜ世界の投資家はUAEを選ぶのか

Amanは、静寂やプライバシーを大切にする世界的なラグジュアリーホテルブランドとして知られています。


一方、同じAman Groupが展開するJanuは、人との交流や食、ウェルネスを重視するブランドです。


2024年に最初のホテル「Janu Tokyo」を開業し、従来のAmanとは異なる、社交性を持つラグジュアリーを提案してきました。

今回、アル・マルジャン島に計画されているのは、132室のホテルと73戸のブランドレジデンス、そして5棟のMarina Villasです。

住宅は1ベッドルームから5ベッドルームまで用意され、設計はシンガポールを拠点とするSCDA Architectsが担当します。

海に面したテラスや大きな窓、プライベートプールを備えた一部の住戸など、自然と建築が調和する空間が計画されています。しかし、この開発で注目したいのは、住宅の豪華さだけではありません。


Januが提案するのは、ホテルのホスピタリティを日常生活にも取り入れるという、新しい暮らし方です。



食とウェルネスが、不動産の価値を変える

なぜ世界の投資家はUAEを選ぶのか

かつて高級住宅の価値を左右していたのは、立地や広さ、眺望、建築デザインなどでした。

現在、国際的なホテルブランドが手がけるレジデンスでは、それらに加えて、どのようなサービスや体験が得られるかも重要な要素になっています。


Janu Al Marjan Islandでは、約2,496平方メートルのスパ&ウェルネスセンターや、6つのダイニング・エンターテインメント施設が計画されています。

スパにはハマムやバーニャ、クライオセラピー施設などが設けられる予定です。

さらに、プライベートビーチやプール、スーパーヨットの係留施設へのアクセスも用意されます。


朝は海を眺めながら過ごし、日中はウェルネスを楽しみ、夜はレストランで食事をする。

旅行先のホテルで体験していた豊かな時間を、日常の暮らしへと広げる。

こうした考え方は、ホスピタリティと不動産の境界が変わりつつあることを物語っています。



なぜ、いまUAEなのか

国際的なホテルブランドがラス・アル・ハイマに進出する背景には、いくつかの要因があります。

まず、国際航空網が充実したドバイへの近さです。

次に、海や山などの自然環境を生かし、都市型観光とは異なる滞在体験を提供できること。

そして、観光客の増加を見据え、ホテルや交通インフラ、大規模な沿岸開発を進める地域の成長戦略です。

ラス・アル・ハイマでは、ホテルと住宅、商業施設を組み合わせた新しい開発も進んでいます。


Wynnの大型リゾートとJanuの進出は、その動きを象徴する事例といえるでしょう。

もちろん、大規模な投資が必ず成功するとは限りません。観光需要の変化や開発コスト、国際経済の動向など、今後の成長を左右する要因もあります。

それでも、複数の国際ブランドが同じ地域に進出する事実は、この土地の将来性を考えるうえで見逃せません。



世界のラグジュアリーが見据える未来

世界のラグジュアリーブランドが提供する価値は、豪華な客室や美しい建築だけではなくなっています。


食事、ウェルネス、人との交流、そして日々の暮らし。

ホテルで過ごす特別な時間を、人生そのものに取り入れようとする動きが広がっています。

Januの新しいプロジェクトは、その一例です。

そして、こうしたブランドが新しい拠点として選ぶラス・アル・ハイマは、これからどのような場所へと変わっていくのでしょうか。


世界の投資家がUAEに注目する理由は、現在の華やかさだけではなく、まだ完成していない未来への期待にもあるのかもしれません。



オフィシャルサイト


Eat Well · Feel Well · Live Well 編集部

世界の価値を読む、スイス発Webマガジン。次に訪れたいホテルやレストラン、食卓で試したいアイデア、暮らしのヒントになる文化やアートを、日本語と英語で紹介しています。選ぶための情報と、体験をより深く楽しむための背景を届けます。

bottom of page