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時代を映し出す、タイムレスなデザイン

Caroline Flueler

スイス・ツークで、Caroline Fluelerさんのアトリエを訪ねて

日々の暮らしの中で使うものだからこそ、短期間で消費されるのではなく、長く愛用できるものを選びたい。


スイス・ツークを拠点に活動するテキスタイルデザイナー、Caroline Fluelerさんの作品には、そんな考え方が息づいています。

色や模様の美しさだけでなく、素材、製法、生産される場所まで大切にすること。今回は、長く使い続けたくなるテキスタイルが生まれる背景を知るため、ツーク湖の近くにあるアトリエを訪ねました。


湖を望むアトリエから

Caroline Flueler

アトリエに入って、最初に目に留まったのは、窓の前に置かれたパソコンでした。


窓の向こうには、緑の庭とツーク湖を望む風景が広がっています。棚には、色鮮やかなバッグ、スカーフ、ソックス、クッション。規則正しく重なる色と模様が、木の温もりを感じる空間に自然になじんでいます。


Carolineさんは、シルク、ウール、コットンなど、それぞれの素材の特徴を生かしながらデザインを考えます。

パソコンを使って柄をつくることもあれば、自らハンドプリントを施すこともあります。デザインは、スイス、イタリア、インドなどの工房へ送られ、それぞれの技法に合わせて製品になります。


織る、プリントする、編む。一枚の布が完成品になるまでには、素材と技術を見極める細かな判断があります。


時代を映し出す、タイムレスなデザイン

Caroline Flueler

Carolineさんのデザイン言語に大きな影響を与えたのが、Konkrete Kunst(具体芸術)です。


要素を絞り込んだ構成、幾何学的な形、色の組み合わせ。シンプルに見えるデザインの中に、繊細なバランスがあります。


タイムレスなデザインとは、時代から切り離されたものではなく、その時代に生きる人の感覚や空気を映しながら、年月を重ねても暮らしの中に残り続けるもの。

Carolineさんは、流行だけに左右されるのではなく、長く使えるパターンを生み出しています。


スイスの空の印象を形づくったテキスタイル

Caroline Flueler

Tyler Brûlé氏とWinkreativeを通じて始まった、SWISS International Air Linesとのコラボレーション。


飛行機に乗ったときに目にするシートの布地、カーペット、キャビンの配色、乗務員のアクセサリー。さらに、ファーストクラスをはじめとする各クラスで使われる毛布などのソフトアイテムにも、Carolineさんのデザインが取り入れられてきました。


空の旅の中で何気なく触れているものにも、彼女の色彩感覚と、長く使われるものへのまなざしが息づいています。


地域に近い生産を続ける

Caroline Flueler

ヨーロッパでは、テキスタイルの生産会社が次第に少なくなっています。

そのような状況の中でも、Carolineさんは、可能な限り地域に近い場所で生産することを大切にしています。


長く使えること。持続可能であること。公正な環境でつくられていること。

デザインの美しさだけでなく、その背景まで含めて、ものづくりを考えています。


新しいデザインを考える時間

訪問した日は、現在準備中の新しいデザインも見せていただきました。

表と裏で異なる表情を楽しめるリバーシブルのデザイン。肌に当てると、布の重なりによって立体感が生まれます。


平面の布が、使う人の動きによって違う表情を見せる。完成後にどのような形になるのか、楽しみな作品です。


ツークのデザインをつなぐ

Zug


Carolineさんは、自身の制作活動に加えて、ツークのデザインや工芸を紹介するAUSZUGの運営にも携わっています。


地域の作り手と作品を紹介し、新しい出会いにつなげること。自身のブランドを長く育てながら、地域のデザイン文化にも関わっています。





Caroline Fluelerさんの作品を購入するには

Carolineさんのスカーフ、ソックス、バッグ、クッションなどの作品は、公式サイトのオンラインショップで購入できます。


ツーク近郊のOberwilにあるアトリエでは、事前に連絡をすると、作品を直接見ながら購入することも可能です。


スイス国内の取扱店でも販売されています。訪問前には、公式サイトで最新情報をご確認ください。


Caroline Flueler

First Visit 25 プロジェクトの記念ギフトとして、編集部より Caroline さんへ、日本製のメラミンボウルをお贈りしました。


AtelierLaden nach Vereinbarung

Räbmatt 66317 Oberwil-Zug


Editor’s Note

アトリエでは、窓の向こうに広がる緑を眺めながら、ミントティーをご馳走になりました。

Carolineさんは、とても流暢な英語で、一つひとつの質問に丁寧に答えてくださいました。棚に並ぶ作品を見ながら、素材、色、模様、生産地について話を伺う時間は、ものが生まれる背景を知る豊かなひとときでした。

完成品を見るだけでは分からない、布の奥にある物語。これからも、長く使いたいと思えるものをつくる人を訪ねていきたいと思います。



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