top of page

美しさは⾷卓から始まる | アーティスト Ozanne Princen

3 日前
読了時間: 5分

At the Table vol.1 | Ozanne Princen

At the Table vol.1 | Ozanne Princen

美しく整えられた食卓には、その人の生き方が表れます。


EFLの連載「At the Table」では、食卓を通して、その人の人生や価値観に迫ります。

第1回に登場するのは、身体の曲線や動きをブロンズで表現するベルギー出身のアーティスト、Ozanne Princen(オザンヌ・プランセン)さん。

幼い頃に育まれた感性、ご主人と共有する美意識、アートのある住まい、そして家族で囲む食卓。日々の暮らしを彩るものについて、お話を伺いました。



家族と分かち合う、美意識のある暮らし

幼い頃の記憶から、夫婦で共有する美しさへの関心へ。オザンヌさんの感性には、家族との関わりが深く結びついています。

「母はいつも、家に生花が飾られているように気を配っていました。美しく整えられた食卓も、私たちにとっては日常の一部だったのです」

母親から受けた影響を原点に持ちながら、現在のオザンヌさんの暮らしをともに形づくっているのが、ご主人との共通の価値観です。

「夫はとても優れた美的感覚を持っています。美しさや空間の雰囲気、細部へのこだわりは、私たちが深く共有しているものです」

二人がともに心惹かれる街がパリ。創造性や自由な雰囲気に満ちたこの街は、夫婦にとってインスピレーションを与えてくれる場所でもあります。



アートとともに暮らすということ

At the Table vol.1 | Ozanne Princen

「彫刻が日常生活の一部となり、家族の食事や会話、静かなひとときに寄り添う存在になることには、とても深い意味があります」


オザンヌさんが手がけるブロンズ彫刻は、身体の曲線や動きを表現したもの。作品を住まいに迎えることで、鑑賞のための特別な場所だけでなく、普段の生活の中でもアートに触れることができます。

ブロンズは、光の当たり方や見る角度によって異なる表情を見せる素材です。作品の周囲に余白を設ければ、造形をさまざまな方向から眺めることができ、自然光によって変化する陰影も楽しめます。

制作には、伝統的なロストワックス鋳造技法を用いています。鋳造から仕上げ、パティナ(表面の色調や風合いを生み出す仕上げ)に至るまで、各工程には精度と細やかな注意が求められます。また、作品を限定エディションとして発表するのは、ひとつの造形を少数の人々に届け、持ち主との親密な関係を保ちたいという思いからです。

長い年月をともに過ごすうちに、作品が身近な存在となり、持ち主にとっての意味が深まっていくことを願っています。


では、実際に彫刻を住まいに取り入れる際、どのような工夫ができるのでしょうか。


たとえばダイニングでは、向かい合う人の視線や会話を妨げない配置がポイントです。サイドボードやコンソールテーブルに飾れば、食事のためのスペースを確保しながら作品を楽しめます。テーブルの上に置く場合には、高さや大きさを考慮するとよいでしょう。


At the Table vol.1 | Ozanne Princen

素材の組み合わせも、彫刻を飾る楽しみのひとつです。ブロンズの深みのある光沢、大理石の自然な石目、柔らかなテーブルリネンなど、異なる質感を合わせることで、それぞれの特徴が引き立ちます。


色彩をひとつに統一する必要はありません。家具や空間との調和を考えながら、作品に合った飾り方を見つけることができます。



食卓に並ぶのは、シンプルな地中海スタイルの料理

オザンヌさんの家庭では、普段どのような料理が食卓に並ぶのでしょうか。

「良質な食材を使い、シンプルに調理し、食事を分かち合う喜びを大切にしています」

夕食によく登場するのは、グリルした魚や肉に、たっぷりの野菜と新鮮なサラダを添えた地中海スタイルの料理。オリーブオイルも欠かせない食材のひとつです。


素材の持ち味を生かした料理とともに、オザンヌさんが楽しんでいるのが、食卓を彩ることです。

自宅では、庭から摘んだ花を飾り、色鮮やかなナプキンを選び、ときにはキャンドルを灯します。こうした工夫は特別な日のためだけではなく、普段の食事にも取り入れられています。


食材を選ぶこと、食卓を整えること、そして家族と食事をともにすること。オザンヌさんの言葉や日々の習慣からは、その一つひとつを楽しむ姿勢が伝わってきます。



完璧なバランスよりも、今この時間を⼤切に

At the Table vol.1 | Ozanne Princen

アーティストとしての創作活動と、妻や母として家族と過ごす日々。オザンヌさんは、芸術活動と家庭生活のバランスをどのように考えているのでしょうか。


「私にとって家族は変わらない軸です。その周囲でどのように時間を配分するかは、日によって変わります」


制作に集中する日もあれば、家庭を優先する日もあります。すべてを完璧に両立させようとするのではなく、その時々の状況に応じて時間を使っています。


子どもたちが母親の創作活動を身近に感じながら育っていることも、オザンヌさんにとって喜びのひとつです。

作品が完成するまでに必要な忍耐や規律、細部への注意を、子どもたちは日常の中で目にしています。

完成した作品だけでなく、そこに至るまでの過程に触れられることも、アーティストの家庭ならではの経験といえるでしょう。




Information

Ozanne Princen(オザンヌ・プランセン)

ベルギー出身のアーティスト。クラシックバレエの経験を背景に、動きや記憶、身体の表現をテーマとした創作活動を行っています。主にブロンズを用い、動と静、強さと柔らかさ、身体と建築の間に生まれる緊張関係を探求しています。


代表的なコレクションには「Silhouettes Éternelles」「COUNTERPOISE 01」「ÉPURE」があり、彫刻作品には伝統的なロストワックス鋳造技法を用いています。


公式サイト:https://ozanne.be/

Instagram:@ozanne__

 




bottom of page