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チューリッヒ|RAZZIA、飲むガストロノミー

10月7日
読了時間: 5分

更新日:4 日前

Zurich|RAZZIA、飲むガストロノミー

©Roman Schubert


チューリッヒ・ゼーフェルトの「RAZZIA」に、新しいバーが誕生しました。

その名は「Bar à Cocktail」。


手がけるのは、バルセロナの「Paradiso Bar」で知られるMargarita SáderとGiacomo Giannottiです。二人が持ち込んだのは、カクテルのレシピだけではありません。発酵やクラリフィケーション、素材の漬け込みなど、料理やパティスリーにも通じる技法を取り入れ、一杯を“つくる”という発想です。

さらに、GaultMillau 2022「Pâtissière des Jahres」に選ばれたFelicia Ludwigが、カクテルに合わせたショコラを開発しました。


カクテルとショコラ。


飲むものと食べるものがひとつにつながったとき、バーはどこまでガストロノミーに近づくのでしょうか。


「RAZZIA」では、そんな新しい楽しみ方が始まっています。



バルセロナ「Paradiso Bar」の魅力がチューリッヒに

「RAZZIA」のカクテルを手がけるのは、バルセロナの「Paradiso Bar」で知られるMargarita SáderとGiacomo Giannottiです。


二人が関わっているのは、メニューづくりだけではありません。バーの立ち上げから、チームへのアドバイスや技術指導まで、「RAZZIA」の中に新しいバー文化を根づかせるところまで携わっています。

そのため、ここで味わえるのは「バルセロナのカクテルをそのまま再現したもの」ではありません。

「RAZZIA」という場所、チューリッヒという街、そしてこの店が持つ空気に合わせて、Paradisoの技術や考え方を組み直しています。


発酵やクラリフィケーション、素材の漬け込みといった技法を使いながら、一杯を料理のように仕立てていく。

バルセロナで磨かれた発想が、チューリッヒでまた別の形になっています。



カクテルに、発酵、クラリフィケーション、漬け込み?

発酵、クラリフィケーション、漬け込み。


料理の話をしているようですが、ここで作っているのはカクテルです。

「RAZZIA」では、果物やハーブ、スパイスなどの素材をそのままグラスに加えるだけではありません。発酵させたり、酒や液体に漬け込んで香りを移したり、ときには液体の濁りを取り除いて透明にする「クラリフィケーション」という技法も使います。

なぜ、そこまでするのでしょう。


理由は、味を足すためだけではありません。


発酵によって酸味や香りに奥行きが生まれ、漬け込みでは素材の風味をゆっくり液体へ移すことができます。クラリフィケーションを使えば、見た目は澄んでいるのに、口にすると意外な味や香りが現れることもあります。


「私たちにとってバーミキシングは料理のようなものです」と、オーナー兼マネージングディレクターのMike Gutは話します。


一杯のカクテルを作るというより、素材を仕込み、味を重ねて、一つの料理のように組み立てていく。


それが「RAZZIA」のカクテルです。



Brigitte BardotからVelvet Negroniまで

Zurich|RAZZIA、飲むガストロノミー

©Kay Moog


カクテルの名前にも、「RAZZIA」らしい遊び心があります。


「Brigitte Bardot」は、PiscoにYuzuとMangoを合わせた一杯。フルーティーさの中にほろ苦さを残し、華やかさだけでは終わらない味わいに仕上げています。


一方の「Velvet Negroni」は、Campariにチェリーとバニラのニュアンスを重ねたカクテルです。クラシックなNegroniをベースにしながら、より柔らかく、余韻のある印象へと変えています。ほかにも、「Razzia Martini」や「Belle Époque」、「La Première」、「Venice en Rose」、「Margot」など、どこか映画や舞台を思わせる名前が並びます。

それも偶然ではありません。


「RAZZIA」は、もともと映画館だった建物にあります。カクテルの名前には、その場所が持つ記憶や、かつてのスクリーンと舞台の華やかさがさりげなく重ねられています。

グラスの中だけではなく、名前や空間まで含めてひとつの世界観をつくる。

それが、「RAZZIA」のカクテルメニューのもうひとつの魅力です。


©Kay Moog



左党の甘党

Zurich|RAZZIA、飲むガストロノミー

© Adrian Ehrbar


お酒も甘いものも好き。そんな“左党の甘党”には、うれしい組み合わせがあります。

「RAZZIA」では、GaultMillau 2022「Pâtissière des Jahres」に選ばれたFelicia Ludwigが、カクテルに合わせたショコラを手がけています。


考え方は、いわゆる“お酒のお供”とは少し違います。

ショコラとカクテルには、苦味、甘味、酸味といった共通する要素があります。Felicia Ludwigは、それぞれのカクテルが持つ味を受け取り、その先へつなげるようにショコラを組み立てています。


一口飲んで、一粒味わう。


カクテルだけでも、ショコラだけでも完結しない。二つを合わせることで、もうひとつの味わいが生まれるのが面白いところです。



え・・映画館だったの?

Zurich|RAZZIA、飲むガストロノミー

©Roman Schubert


「RAZZIA」の空間にどこかドラマチックな雰囲気を感じるのには、理由があります。

この建物は、もともと映画館として使われていた場所です。


現在のバーは、その記憶を消してしまうのではなく、むしろ空間の中に残しています。カクテル名に「La Première」や「Brigitte Bardot」といった映画や舞台を思わせる名前が並ぶのも、その背景と無関係ではありません。

照明も特徴的です。人を明るく照らすのではなく、建築の一部にスポットを当て、光と影で空間に奥行きをつくっています。まるで、これから何かが始まる舞台のようです。

80平方メートルのバーには、店内42席、屋外28席。かつてスクリーンを見つめていた場所は、今では一杯のカクテルを楽しむための空間へと姿を変えています。



チューリッヒの新しい待ち合わせ場所にオススメ!

Zurich|RAZZIA、飲むガストロノミー

©Roman Schubert


友人との待ち合わせに、仕事帰りの一杯に、あるいはディナーの前後に。

「RAZZIA」の「Bar à Cocktail」は、少し特別な時間を過ごしたいときに立ち寄りやすい場所です。

本格的なカクテルを楽しめるだけでなく、ショコラとの組み合わせや、元映画館ならではの空間も魅力のひとつ。

チューリッヒで「どこで会おう?」と迷ったとき、新しい選択肢として覚えておきたい一軒です。 


Bar Information

RAZZIA – Bar à Cocktail

月〜土曜日、16:00〜24:00

Seefeldstrasse 82

8008 Zürich, Switzerland


※営業時間・メニュー・価格は変更される場合があります。訪問前に最新情報をご確認ください。



画像提供:© Roman Schubert / © Adrian Ehrbar / ©Kay Moog



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