思考のクセに気づく3日間|幸福感を高めるものの見方
- ボロミエ 利美

- 2025年5月1日
- 読了時間: 6分
更新日:1 日前
著者:ボロミエ利美

私たちは1日あたりおよそ6万回の思考をしているといわれます。そのうちの8〜9割は、無意識のうちに繰り返される“思考のクセ”。人間が脳で「考える」のはごく一部であり、多くは無意識のプロセスに委ねられているとも言われています。こうした思考の働きについては、理化学研究所 でも脳と意識の関係が研究されています。
「やるべきことが多すぎる」「常に何かを考えている」「寝ても疲れが抜けない」――そんなビジネスパーソンにこそ、この3日間の思考観察チャレンジを試していただきたいのです。
ポイントは、ただ「脳を止める」のではなく、“いま何を考えているのか”に気づくこと。思考のノイズを可視化することで、心のリソースを最適配分し、思考の質を高めることができます。
難しそうに聞こえますが、私たちは数回練習しただけで自転車に乗れるようになります。自転車に乗るときに、「右足で、次は左足で」とは考えません。
“思考のクセ”も同じで、最初は意識的に整える必要があったとしても、やがてそれが自然な状態へと変わっていきます。
なぜ、このトレーニングが必要か?
それは、あなたの解釈が成果を左右するからです。
3日間の“思考観察チャレンジ”で、脳内リセット
この“グルグル思考”に気づき、必要なものだけを選び直す。それだけで、驚くほど気持ちが整うことがあります。気持ちが整うことで幸福感も同時にぐんとアップします。
ここで提案したいのが、3日間だけの思考観察チャレンジ。
Day1:思考ログを取る
まずは、どんな思考が浮かんでくるか観察してみてください。やることはシンプル。心の中で実況してみましょう。業務の合間や通勤時、「今、自分は何を考えているか?」を10秒だけ言語化。サッとメモに書くくらいでも大丈夫です。
気が散るようだったら、「未来の不安」「タスクの詰め込み」など、ざっくり分類するだけでもOK。
「嫌だなと感じたこと」
「不安に感じたこと」
「気分が沈んできたこと」
この時点で「なんか疲れてるな自分」と気づいたら、それはすでに大きな第一歩です。思考に名前をつけるだけでも、脳内の整理整頓が始まります。
時刻 | シチュエーション | 頭に浮かんでいた思考 | 気分(5段階) | 備考(気づきなど) |
例)10:30 | 会議準備中 | 「この資料、間に合うかな…」「うまく話せるか不安」 | 😐 3/5 | 未来への不安が多いと気づいた |
1日3〜5回でOKです。スマホのリマインダーを使っても◎。
⇨Day1は現状の“思考回路”を把握する日です。
Day2:生産性の低い思考に気づく
2日目は、ただ思考を観察するだけでなく、浮かんできた考えにひとつ質問をしてみます。
「この考え方は、自分を前に進めているだろうか?」
たとえば、不安が頭の中で何度も再生されているとき。それは本当に今起きていることでしょうか。それとも、まだ起きていない未来を、頭の中で何度も予行演習しているだけでしょうか。
少しユーモアを入れて、こんなふうに自分にツッコミを入れてみても構いません。
「それ、本当に今起きてる?未来予測ショーじゃない?」
「同じ場面、もう10回くらい再放送してない?」
「その心配、今ここで解決できる?」
ここで大切なのは、ネガティブな思考を無理やり消そうとしないことです。
不安になる自分を責める必要はありません。落ち込む自分を否定する必要もありません。
ただ、頭の中で繰り返されている思考を見つけて、こう問いかけてみるのです。
「これは、今の私に必要な考えだろうか?」
必要な考えなら、次の行動に変えていく。必要ではない考えなら、いったん横に置く。
それだけでも、頭の中のスペースが少し戻ってきます。
Day2の問いかけ
これは事実?それとも私の解釈?
今ここでできることはある?
この思考は、私を助けている?
何度も同じことを考えていない?
それは本当に私が抱えるべき問題?
たとえば、「あの人に嫌われたかもしれない」と感じたとします。
でも、それは事実でしょうか。それとも、返信が少し遅い、表情がいつもと違った、という小さな情報から自分が作った解釈でしょうか。
事実と解釈を分けるだけで、心の反応は変わってきます。
Day3:新しい見方を選び直す
3日目は、気づいた思考を少しだけ別の角度から見てみます。
ここで行うのは、無理なポジティブ変換ではありません。
「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせることでもありません。現実を見ないふりをすることでもありません。
大切なのは、ひとつの出来事に対して、別の見方も持てるようにすることです。
たとえば、仕事で思ったような評価が得られなかったとします。
最初に浮かぶ思考は、こうかもしれません。
「私はまだ足りない」「やっぱり向いていないのかもしれない」「頑張っても意味がない」
でも、少し距離を置いて見ると、別の解釈もできます。
「改善点が見えた」「次に伝え方を変えればいい」「今の評価が、私の価値すべてを決めるわけではない」
出来事は同じでも、解釈が変わると、心のエネルギーの消耗は変わります。
幸福感は、何が起きたかだけで決まるわけではありません。それをどう受け取り、どう意味づけるかによっても変わります。
認知を変えるための3ステップ
思考が重くなったときは、次の3つに分けてみてください。
1. 事実
実際に起きたことは何か。
例:返信がまだ来ていない。
2. 解釈
自分はそれをどう受け取ったか。
例:嫌われたのかもしれない。軽く見られているのかもしれない。
3. 次の行動
今、自分にできることは何か。
例:もう少し待つ。必要なら確認する。別の作業に戻る。
この3つを分けるだけで、頭の中で膨らんでいた不安が、少し現実のサイズに戻ってきます。
幸福感は、思考の扱い方で変わる
私たちは、毎日たくさんのことを考えています。
そのすべてを止めることはできません。けれど、どの思考にエネルギーを使うかは、少しずつ選べるようになります。
同じ出来事でも、「もうだめだ」と見るのか、「ここから何を変えられるか」と見るのかで、次の一歩は変わります。
幸福感とは、いつも良いことだけが起きる状態ではありません。
嫌なことがあった日にも、思い通りに進まなかった日にも、自分の心を必要以上に傷つけず、次に向かう力を残しておくこと。
そのために、思考を観察する習慣は役に立ちます。
3日間だけで、人生が劇的に変わるわけではないかもしれません。
けれど、自分の思考のクセに気づくことは、心のエネルギーを守る第一歩になります。
考え方は、生まれつき決まったものではありません。日々の小さな気づきによって、少しずつ選び直すことができます。
今日、自分の頭の中で何が繰り返されているのか。まずは10秒だけ、観察してみてください。
その小さな気づきが、明日の幸福感を変えていくかもしれません。
🧠 最終レビュー
思考のクセで気づいたこと:______________
最も消耗していたポイント:______________
自分にとって役立つ切り替え法:______________
今後に取り入れたい習慣:______________
幸福感を上げて成果も上げる
思考は放っておくと、クセのままループしがちです。でも、ちょっと立ち止まって観察して、選びなおすだけで、日常の中の「心地よさ」が増えていきます。
このワークの狙いは、マインドフルネスでも自己啓発でもなく、“脳の思考体力”を整えること。ビジネスの現場で必要なのは、情報の取捨選択と、迷わない判断力です。
それを取り戻すために、まずは自分の脳内の状態に目を向けてみませんか?
ストレスが溜まっていますか? 「書くというヒーリング」のページがおすすめです。
著者について

ボロミエ利美
スイスを拠点に、J-Biz GmbHの代表としてWeb制作・SEO・コンテンツ戦略・ブランドコミュニケーションに携わる。「Eat Well · Feel Well · Live Well」をテーマに、美肌食マイスターやアロマ・ハーブの学びを活かし、発酵食品や旬の食材を取り入れた、内側から美しさと健やかさを育む食と暮らしを発信。




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