幸福感は「現実」ではなく「認知」で決まる
- Health Wellness
- 5月1日
- 読了時間: 4分
更新日:5月9日

私たちは1日あたりおよそ6万回の思考をしているといわれます。そのうちの8〜9割は、無意識のうちに繰り返される“思考のクセ”。人間が脳で「考える」のはわずか2%と言われています。ほとんどの場合は潜在的に考えていると言うことになります。
「やるべきことが多すぎる」「常に何かを考えている」「寝ても疲れが抜けない」――そんなビジネスパーソンにこそ、この3日間の思考観察チャレンジを試していただきたいのです。
ポイントは、ただ「脳を止める」のではなく、“いま何を考えているのか”に気づくこと。思考のノイズを可視化することで、心のリソースを最適配分し、思考の質を高めることができます。
難しそうに聞こえますが、私たちは数回練習しただけで自転車に乗れます。自転車に乗るときに、「右足で、次は左足で」とは考えません。
“思考のクセ”も同じで、最初は鍛え直す必要があったとしても、そのうちそれが当たり前になってきます。
なぜ、このトレーニングが必要か?
それは、あなたの解釈が成果を左右するからです。
3日間の“思考観察チャレンジ”で、脳内リセット
この“グルグル思考”に気づき、必要なものだけを選び直す。それだけで、驚くほど気持ちが整うことがあります。気持ちが整うことで幸福感も同時にぐんとアップします。
ここで提案したいのが、3日間だけの思考観察チャレンジ。
Day1:思考ログを取る
まずは、どんな思考が浮かんでくるか観察してみてください。やることはシンプル。心の中で実況してみましょう。業務の合間や通勤時、「今、自分は何を考えているか?」を10秒だけ言語化。サッとメモに書くくらいでも大丈夫です。
気が散るようだったら、「未来の不安」「タスクの詰め込み」など、ざっくり分類するだけでもOK。
「嫌だなと感じたこと」
「不安に感じたこと」
「気分が沈んできたこと」
この時点で「なんか疲れてるな自分」と気づいたら、それはすでに大きな第一歩です。思考に名前をつけるだけでも、脳内の整理整頓が始まります。
時刻 | シチュエーション | 頭に浮かんでいた思考 | 気分(5段階) | 備考(気づきなど) |
例)10:30 | 会議準備中 | 「この資料、間に合うかな…」「うまく話せるか不安」 | 😐 3/5 | 未来への不安が多いと気づいた |
1日3〜5回でOKです。スマホのリマインダーを使っても◎。
⇨Day1は現状の“思考回路”を把握する日です。
Day2:生産性の低い思考に気づく
2日目は、ただ気づくだけでなく、「この考え方は自分を前進させるか?」を問い、繰り返し再生されるネガティブや不要な反芻に気づく。ちょっとツッコミを入れるのもおすすめ。
「それ、本当に今起きてる?未来予測ショーじゃない?」
「もう何回も考えたこと、また再放送されてない?」
「あれ、それって“思い込みヒットソング”じゃん」
繰り返し登場したテーマに✔をつけましょう
☐ 心配ごと(未来への不安)
☐ 後悔・反省(過去の思考)
☐ 自己批判(できていない自分)
☐ 他人の評価や比較
☐ TODOや雑務の繰り返し
☐ その他(________)
🔍 振り返りの問い
この思考は、自分を前に進めてくれている?
今、必要な思考?それとも思考グルグル?
脳内のクセに気づけると、少しずつ距離が取れるようになります。“自分=思考”という感覚がゆるんでくると、心の余白が広がってきます。
⇨Day2は、パフォーマンスを下げる“思考の癖”にツッコミを入れる日。
Day3:意識的に“建設的思考”を選ぶ
3日目は、思考を観察したあとで「この考え、私を幸せにしてくれる?」と自分に聞いてみる。不安ベースからではなく、解決・創造・行動ベースの思考へ切り替え。
「この思考は、自分を幸せにしてくれる?」
YESならそのまま。
NOなら、「じゃあ別の視点、試してみる?」と自分にやさしく提案。
「別の考え方をするとしたら、どんな可能性がある?」
「どうしたらいいか」「どんな選択肢があるか」へシフトします。
気づいた思考 | 切り替えの問い | 新たな視点・行動に置き換えるなら? |
例)「失敗したらどうしよう」 | 今、できる一歩は何か? | 「最初に要点だけ伝えることに集中しよう」 |
🎯 コツは、「何が問題か」ではなく「何ができるか」に視点を置くこと。
とにかく“自分にやさしい視点”を選び直すことで、思考の質がじわじわと変わっていきます。
⇨Day3は、メンタルの再起動・集中力アップを目指す日です。
🧠 最終レビュー
思考のクセで気づいたこと:______________
最も消耗していたポイント:______________
自分にとって役立つ切り替え法:______________
今後に取り入れたい習慣:______________
幸福感を上げて成果も上げる
思考は放っておくと、クセのままループしがちです。でも、ちょっと立ち止まって観察して、選びなおすだけで、日常の中の「心地よさ」が増えていきます。
このワークの狙いは、マインドフルネスでも自己啓発でもなく、“脳の思考体力”を整えること。ビジネスの現場で必要なのは、情報の取捨選択と、迷わない判断力です。
それを取り戻すために、まずは自分の脳内の状態に目を向けてみませんか?
ストレスが溜まっていますか? 「書くというヒーリング」のページがおすすめです。